目からの情報と脳疲労

キーワード:脳疲労、ストレス、情報処理

 

 

◆見ることによる脳の疲れ

秋冬と夜の時間が増えることにより夜更かし、本や画面を見て過ごすことが多くなってきていませんか?実は「見る」=「目を使うこと」だけでなく、「脳の疲労」に繋がっているためにいろいろな不調が生じることがあります。

・例えば目の奥が痛い、乾くなどの直接的な影響

・姿勢を変えないことによる肩こり、頭痛といった筋肉のこわばり

・画面の光る電子機器は自律神経の乱れやストレスにつながる…etc.

 

◆なぜ見ることで脳が疲れるの? どんな症状が出るの?

視覚情報は脳で処理されており、外からの刺激のうち視覚制御が80%も占めているため、目の疲労≒脳の疲労と最近ではよく言われています。

 

また、言葉を読み取ったり複雑な計算をしたりとする部分も脳の前の方にある「前頭葉」で行われており、判断力などにも関連します。運動のやり方を考えるという部分も同じところにありますので、脳の疲れがリハビリの質低下や動作そのものが安定しないなど直接動きに影響が出ます

 

さらにこの前頭葉はもう一つ大きい「感情」を制御する役割も担っており、脳疲労でこの部分の動きが鈍くなることで、外部の情報が処理しきれずにイライラしたり、怒りっぽくなったりとストレスに繋がります。

 

◆どんなことをすればいいの?

世界各国で仕事や勉学の合間にシエスタ(昼寝)を取り入れることで脳を休めて効率を改善するという取り組みもあります。15分~30分以内の仮眠が疲れをとる即効性があり、夜間の睡眠の質も高めるとされています。

⇒良い睡眠でからだもこころも健康に7つの安眠ポイント(8月22日参照)

 

 

 

なかなか合間の時間が取れないという方もアイマスクなどで視覚を遮るだけでも同様の効果があります。音楽やアロマセラピー(聴覚・嗅覚)など別の刺激を入れることで、副交感神経(休めの信号を出す神経)が優位となりリラックス効果を促進するという説もあります。

⇒秋の夜長の過ごし方(919日参照)https://reha-honpo.jp/archives/67068

年齢に関わらず「目を労わる=脳を休める」ことは大切だということが伝わったでしょうか?新年をスッキリ迎えるためにぜひ生活に生かしてください!

 

【参考文献】

・脳疲労と脳血流量の関係性

理学療法学Supplement 2015 (0), 0966-, 2016

公益社団法人 日本理学療法士協会

・LED文字盤照明に対する視覚疲労が前頭前野脳賦活に与える影響の機械学習による分析

IIP情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集 2020 (0), 2A03-, 2020

一般社団法人 日本機械学会