キーワード:介護負担、介護負担軽減方法、介護保険サービス、訪問看護、訪問リハ
毎日休みなく続く介護により、家族介護者の多くが介護疲れを感じています。
介護疲れは、介護離職や介護うつなどを引き起こすため、大きな社会問題にもなっています。
ここでは、介護負担の要因、そして解消法について解説します。
まずは介護負担の具体的内容について述べていきます。
介護で感じる負担として4つの負担があります。
①身体的負担
毎日の起床介助、座る場所などを変える移動介助や体位介助、衣服の着脱、トイレや入浴の介助など、介護者は要介護者の体を一日に何度も持ち上げたり、支えたりしています。
そのため、介護者の腰、ひざ、腕などに過度な負担がかかります。
また、散歩や通院の付き添いからくる疲れもあります。夜になってようやく就寝できたかと思えば、夜中に何度もトイレ介助やおむつ交換に起こされ、十分な睡眠がとれない介護者も多くいます。
②精神的負担
介護者は、要介護者との関係、他の家族や親族との関係、介護スタッフとの関係など、いろいろな立場の人との人間関係に疲れてしまうことがあります。
また、他の家族や親族の非協力的な姿勢からストレスをためてしまう介護者は多く、介護うつになる人は「自分だけが介護することを強いられて自由がない」と訴えます。
③金銭的負担
訪問介護などの介護サービスを介護保険の支給限度額内に収めたとしても、在宅介護には、紙おむつや防水シーツ、介護食品などの介護用品に費用がかかります。
また、介護離職をして収入が途絶えたり減ったりすれば、貯蓄や要介護者の年金に頼ることになり、経済的な不安を抱えることになります。経済的な負担を感じている介護者はとても多くいます。
④時間的負担
上記のグラフは要介護度と介護時間の関係性をグラフにしたものです。
要介護度が上がるにつれて介護に費やす時間も増えていることが分かります。
この④つが大きく考えられます。また家族介護でストレスを感じる原因としては
「両親や親族は自分が介護しないといけない」と思いこみストレスを抱えている人もいます。
介護ストレスの原因を自ら理解し、介護ストレスの特徴や解消方法を見出すことが大切です。
介護負担を減らす為にはどうすればいいのでしょうか。
◯介護サービス等の高齢者支援サービスの利用
以下にご紹介するようなサービスを積極的に利用していきましょう。
介護保険サービス
訪問介護・訪問入浴介護を利用すれば、食事介助、排泄介助、入浴介助などをしてもらえます。
介護を家族が担当する部分、プロに任せる部分などをはっきり決めることも可能です。また、デイサービス、ショートステイなどを使えば、介護者が休息することも可能です。
介護保険外サービス
社会福祉法人やNPO法人などで介護保険外サービスを行っている事業所もあります。
例えば、同居家族がいる場合の日常生活援助や、リハビリとは関係ない散歩、旅行、墓参りの付き添いなどの援助です。その他にも、生活援助や、配食サービス、安否確認などもあります。
どのサービスがよいかは、ケアマネジャー、地域包括支援センターに相談したり、口コミ・インターネット情報を参考したりするとよいでしょう。
また、ケアマネジャーは介護のプロであるため、介護者の率直な悩みまで相談しても受け入れてくれ、解決策を考えてくれます。
主治医に相談する
高齢者を在宅介護する場合、介護者は、健康面だけではなく日常的な悩みも主治医に相談するとよいでしょう。主治医とケアマネジャーは、介護保険サービスに関わることについて連携を取っています。
介護者の会などを利用する
在宅介護をしていると、どうしても孤立してしまいます。 悩みやストレスが溜まっても、なかなか解消することができません。そんなときは、お住まいの地域にある 「介護者の会」 を利用しましょう。介護者の会とは、家族の介護を行っている人たちが集まり交流を行っている会です。
悩み相談ができるのはもちろん、さまざまなアドバイスももらえます。
身近に信頼できる相談相手を作る。
何か悩みができたら、すぐに相談できる相手を作ることも方法の一つです。
介護に関する悩みやストレスは、介護の専門的な知識を持つ人や介護経験がある人に相談するのがよいでしょう。大阪でも各地域で介護者の会が開かれています。気になる方は「大阪介護者の会」で検索してみてください。また以下にQRコード貼っておきますのでご参照ください。
介護スキルを向上させる
介護を始めたばかりのときは、介護のスキルがまだ身についていないため、上手くできずにストレスを感じてしまうこともあります。
上手く介護ができないと、要介護者との関係も悪化しかねません。
各自治体では、介護家族のための介護教室を開催していることがあります。ぜひそのような講座に参加し、介護のスキルを向上させましょう。
訪問リハビリでは、介護負担軽減の為の家族様への介助方法の指導、本人様への動作指導、福祉用具の提案、機能訓練を中心に行っていきます。介助方法など気になることがあれば、スタッフにお尋ねください。