▶「転ぶ」を防ぐ|注意機能とは

キーワード:リハビリ本舗、訪問リハビリ、転倒予防、注意機能、吹田

うちの父は80歳を超えたいわゆる高齢者です。
先日、叔父の3回忌があって田舎から大阪に出てきて我が家に泊まっておりました。
2泊程度で帰る予定がなんと、、、
ドシーン!!
そう、そんな時に限って転んで尻もち。
骨折には至らなかったですが、腰痛によって帰宅が伸びてしまいました。
(骨折しなかっただけよかったです(;’∀’))
うちの父も元々は足腰が自慢でしたので、口をついて出るのは
「足腰が弱ってきちゃったぁ~。歳はとりたくない・・」という弱音です。
でもここで考えてほしいことがあります。本当に足腰が弱くなっただけで「転ぶ」ものなのでしょうか?
もちろん筋力低下や柔軟性の低下、敏捷性などといった身体機能面が転倒を引き起こす要因であることに間違いはありません。
しかし大事なことに注意機能というものがあります。
1つ転倒に関する論文から引用しますと、
 【 明らかな運動機能や認知機能の低下がなく、比較的これらの機能が維持されているような高齢者の転倒には、軽微な注意機能の低下が何らかの影響を及ぼしている可能性が高い。】
(山田実:注意機能トレーニングによる転倒予防効果の検証.理学療法科学24(1):71–76.2009)
といわれています。
これは例えば、 敷居や段差・不整地・暗所など生活範囲内で転倒の危険性を高めるような環境因子があっても、それらに適切に注意が向けられていないことで転倒に至ってしまうケースのことをいいます。
そう!
これまさにうちの父が転んだ状況なんです。
父の転倒は食器棚からものをとる為に段差に上がり、そこから降りた際にキッチンマット上でズルっと滑ったことが要因だったのです。
ちなみにこれと同じ状況になればほぼ全員転びます。
しかしほとんど転ばない。。 何故か?
それは降りる時に、滑りそうなマットがあることを認知して、注意しながら降りるからであり、それに注意を向けた降り方を自然に行っているんですね。
高齢者になってくると、こういった注意機能が低下して転倒を引き起こすことが本当に多いんです。
そしてこの注意機能の低下は見つけにくいのがまた厄介なところでもあります。
注意機能の検査は専門家にしてもらうのが一番ですが、とりあえずこの注意機能を低下させないためにどーしたらいいのかが気になりますよね。
注意機能トレーニングに限定すると少し専門的になってしまいますが、もう少し広く認知機能を改善させて転倒予防を図るトレーニングとして『ダブルタスク』というものが有名です。
これはその名の通り2つの課題を同時に行うということです。特に運動+認知課題がgoodです。
  1. グラスに水をいっぱい入れて、こぼさないように歩く
  2. ウォーキングしながら一人しりとり
  3. 足踏みしながら3の倍数と3がつく数の時に手をたたく
簡単な一例としては以上のようなものがあります。
皆さんもダブルタスクを調べてみて、早い段階からの転倒予防を始めてみましょう。
ダブルタスクに関して詳しく知りたい方は是非ご相談ください。