▶安眠を妨げる夜間の悩み|寝苦しい夏場にさらなる敵

keyword:こむら返り、脱水、ミネラル、ストレッチング

今年は梅雨入りも早く気温も湿度もぐんぐん上がって寝苦しい季節がやってきましたね。利用者さんから悩みの一つに「夜中に太ももやふくらはぎがよくつる」というものが多くあったので、筋肉が「つる」メカニズムについて、季節的によく聞くワードの「脱水」と併せてお伝えできればと思います。

 

脱水とミネラルバランス

実は睡眠中は気づかないうちにコップ2杯分の水分が体外に出てしまっていると言われています。なので、対策は単純明快ですが寝る前に水分を取ることです。しかし、お茶やコーヒーなどにはカフェインが含まれているものは利尿効果などによりかえって体の細胞から水分が出てしまうことも有るので注意が必要です。

 

汗をかくこと=水分不足に加えミネラルのバランスが崩れるということが言われているため、水分補給と同時にミネラルも取れれば一石二鳥ですね。ミネラルに関しては今回のテーマである筋肉が「つる」ことと大きくが関係があると言われています。

 

筋肉が伸び縮みするのにはナトリウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルのバランスが大事であり、筋肉にはこれ以上伸びすぎると危ない!と知らせてくれるセンサーがついているのですが、脱水やミネラルの不足により誤作動してしまうのが「つる」メカニズムと一つだと考えられています。

 

ストレッチング

寝るとき以外に筋肉がつるタイミングが多いのは運動中や運動後がイメージしやすいですね。夜中の「つる」ことに対してもやはり「ストレッチング」が大事です。しかし、ストレッチングにも種類があり、適切なものを選ばないと逆効果になることはあるのはあまり知られていないかもしれません。

 

足をつることを予防するのはスタティックストレッチング(≒リラックスするためのストレッチ)が効果的です。大事なのは「ゆっくり」「力を抜いて」行うことで、勢いをつけるのはNGです。実際にお風呂上がり・寝る前におすすめのストレッチングを2種類ほど紹介します。

 

ふくらはぎのストレッチング

床に座った状態で片足を伸ばし、足先にタオルなどを引っ掛けます。

→そのまま足先を自分の体の方へ近づけるように引っ張ります。

 

ふともものストレッチング

床に座った状態で膝を伸ばした状態で両足(腰痛がある人は片足だけでもOK)を前に伸ばします。

→長座体前屈のように両手を足の指先に向かって伸ばし、指先を触るように体ごと前に倒していきます。

 

これを一回10秒~20秒で5セットほど行い、しっかりと伸ばすときに息を吐きながらゆっくり行います。呼吸が続かない方は途中で少し緩めて息を吸い、勢いをつけないようにもう一度じっくりと行うとよいです。

 

今回の健康に関するお話しはいかがだったでしょうか?

寝る時間は生活の中でも長く、快適に寝ることは人生・健康の質を高めることだと思っています。少しの工夫で夜の時間を快適に過ごしましょう!

 

1)谷澤真,伊藤俊一,飛永敬志︰短時間のスタティックスストレッチングが柔軟性および筋出力に及ぼす影響. Vol.39 Suppl. No.2(第47回日本理学療法学術大会),2012, Ce0116-Ce0116.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Ce0116/_article/-char/ja/

 

2)高橋恭一:興奮性細胞における細胞内カルシウムイオン濃度の調節,人間環境学研究12,2014,119-132.

https://shudo-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2154&item_no=1&page_id=13&block_id=62