キーワード:リハビリ本舗、リハビリ、円背、猫背、改善方法
テレビや新聞などを読んでいる時、皆さまはどんな姿勢になっていますか?
今回は、無意識に皆さまが取っている姿勢について少し触れていきたいと思います。
「円背」とは
胸椎(胸部分の背骨)は生理学上もともと後弯(後ろにカーブしている)していますが、より大きく後弯変形している状態のことを言います。皆様の馴染みのある言葉に言い換えると「猫背」のことですね。円背がより進行すると身体能力や立位バランスの低下を引き起こし歩行能力等のADLの低下を招くとされています。また、身体機能の低下に伴い外出頻度や余暇活動を声援するなどQOLも低下し、社会参加にも影響すると報告されています。
円背姿勢の原因は?
- 骨自体の変形
- 靭帯や関節包などの静的支持組織の変化
- 脊柱起立筋などの動的支持組織の弱化
など様々な因子が影響しています
踵を壁につけて普段過ごしている姿勢から顎を上げずに頭をつけようとしてください。これでいつもより姿勢が伸びる方は背筋の筋力低下、腹筋の柔軟性低下が考えらます。
ここからは円背を是正する運動の紹介をしていきます。
・腹臥位(うつ伏せ)での上体反らしは速く行うより反動を使用せずにゆっくりと行うことが大切です。
「背筋の最大筋力向上」
・腹臥位でのOn hands push upによる上体反らし運動は顔を天井方向にむけることでさらに伸展(伸びる)します。最高到達点で深呼吸をして戻ることを繰り返しましょう。
「脊椎の可動性向上、腹筋のストレッチ」
上記は腹臥位になるため実施できない方も多いかもしれませんね。次は座位でもできる運動を紹介します。
・両手を大腿部(太もも)の上に置き、上肢(腕)で支えながら円背をできるだけ修正させた姿勢を10分間保持する。この時、なるべく上肢に頼らないように注意が必要です。
「背筋の持久力向上」
骨自体の変形は元に戻すのに手術等が必要となる場合が多いのですが、今回紹介した運動をこれから心がけるとでまだ改善できる思いませんか?
毎日無理のない範囲で良いので少し円背が気になってきた方、円背で困ってきた方も円背が軽減、改善できる可能性があるので是非試してみてください。
参考文献
・古戸 順子、結城美智子:・山本圭彦、坂光徹彦、堀内賢・他:運動療法により高齢者の円背姿勢は改善するか Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)、2006
・中川朋美、山本圭彦、坂光徹彦・他:円背を呈する高齢者に対する運動療法の提案 Vol.33 Suppl. No.2 (第41回日本理学療法学術大会 抄録集)、2006