体温のお話 ②

” Christmas  around  the  corner”

”クリスマスが、もうそこまでやってきている”…って意味だそうです。私はクリスチャンではありませんが、この響きが何故かとても気に入りました。12月になりクリスマスソングが聴こえはじめると、なんとなくわくわく感になります。このわくわく感は(クリスマスに限らず!)、子どもだけの特権ではなくて、少し先に見える夢とか希望につながる感覚なのでは…と思うのです。子どもの頃の懐かしい記憶だけにしてしまうのではなくて、幾つになっても、高齢になっても、ちょっとしたわくわく感を日々の中で楽しめたらいいなと思います。”…around  the  corner”すぐそこまでやってきているのは、それぞれの夢や希望でありますように…と願います。

さて、前回に引き続き、発熱のお話②です。今回は「発熱の原因やケアについて」お話いたします。

発熱の原因としてもっとも頻度が高いのは、感染症ですが、発熱は=(イコール)感染ではなく、非感染性炎症や、非炎症性があります。非感染性炎症には、膠原病、痛風、薬剤アレルギー、腫瘍熱などがあり、非炎症性には、甲状腺機能亢進症、体温の調節異常、熱中症などがあります。

そのうちもっとも頻度の高い感染症は、高齢者が罹患すると ①成人に比べて死亡率が高く直接死因になりうる ②併存する疾患(心臓病、糖尿病など)」の増悪因子となる ③臥床を強いられて日常生活動作が低下する ④苦痛が大きい などにつながる為、早期に発見・治療が望まれます。また、高齢者では、嚥下障害から誤嚥性肺炎、尿路結石や前立腺肥大による尿の流出障害から腎盂炎、胆石や癌などによる胆汁通過障害から胆のう炎、血流障害などからじょくそう(床ずれ)などの細菌感染を起こしやすいです。さらに、局所の感染にとどまらず全身性感染症(敗血症)に進展しやすいです。                 高齢者の方は、体温の上昇や体調の変化を自覚されず過ごされることもあり、食欲の低下や機嫌、歩行状態などでいつもとなんだか異なるということから、発熱が発見されることもあります。

次に発熱時のケアは、 ①クーリング 体表に近い大きな動脈(頸・脇の下・そけい部)を冷やすと有効  ②微温湯による清拭  ③室温は20℃前後、湿度60%  ④衣類・掛け物の調整  などがあります。また高齢者では、解熱剤 特に座薬の使用により急激な発汗・解熱による血圧の低下を招くことがあり注意が必要です。体温の上昇に伴う症状に対しては、脱水、皮膚の汚染、口腔内汚染、栄養状態の低下などに対するケアが必要です。

気ぜわしいと言われる12月ですが、。”…around  the  corner”すぐそこまでやってきているのは、気ぜわしさでなく、夢や希望でありますように、皆様、健康に留意してお過ごしください。