▶「互助とは」|理学療法士の役割

キーワード:互助、地域包括ケア、リハビリ本舗、吹田市

 

互助の定義

「地域の生活課題を解決し合う住民の相互行為。また、生活課題に対する共感体験、および互いに地域の生活課題を補おうとする自発的な意識を住民が持つこと」

 

地域包括ケアシステムが謳われて久しいですが、「互助」に対して、理学療法士が携わることができるのか。を考えてみました。

 

互助は自助、共助、公助と補完的な関係にあり、地域の自助、共助、公助の実情に影響を受けるとされており、鳥の目が必要となります。

 

以下に、最近読んだ論文の一部を抜粋し、「互助」を整理してみましょう。

 

互助に影響する因子

・自助や共助、公助のみでは解決できない生活課題の存在

家族機能の弱体化や高齢者の一人暮らしの増加から起こるリスクに直面

 

・住民間の交流の存在

地域の集まりや互助の活動グループなどの交流環境

 

・住民間の生活課題の共有

他者の抱える問題が共有されていた。その内容には、個々の問題だけでなく地域が

抱える課題があった

 

・住民主体の支え合いを推進

行政や専門職の支援等による住民主体の支え合いを推進する公的な仕組み

 

互助の特性

 

・住民間の生活課題に関する共感体験

困りごとを知ることで、将来自身が同状況になったことを考え当事者意識を持つ事

 

・互いに補おうとする住民の自発的意識

自助努力では解決できないことを互いに補い合う意識

 

・地域の生活課題を解決し合う住民の相互行為

見守りや買い物、通院介助、庭の手入れなど

 

互助により期待される効果

 

・住民の生活課題の解決

自助だけでは不足する部分を近隣住民同士で補っていた

 

・住民の役割や生きがいの創出

地域住民が自らの健康や生活に関して一層意識が高まる場面があった

 

・住民の自助意識の向上

住民による互助の実践は、住民に役割を創出することや、知恵や経験が生かされる

環境をもたらす

 

・住民間の交流やつながり

互助の関わりを通じて、継続した交流がみられた

 

 

以上のことをふまえると、理学療法士が携わる価値としては、

交流の架け橋ともなりうる、「正しい情報の発信」と

住民の「ヘルスリテラシー向上」がポイントなのではないでしょうか。

 

地域(住民間)での希薄な関係が問題視されており、

ソーシャルキャピタル(SG)が健康へ影響を及ぼすと指摘されています。

(SGについてはまた別の機会に)

 

理学療法士として、時には交流の場を提供することも必要ですが、

単なる交流会ではなく、「正しい情報」を提供し、

健康行動を誘発すること(自助)が「互助」への一歩となるのでしょう。

 

 

伊藤海ら.「互助」の概念分析.日本公衛誌 2020; p334-342