キーワード:災害時、生活不活発病、理学療法士
大阪北部地震が18日に発生してから一週間以上が経ちました。
被災された皆様には心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早く生活面だけでなく心身ともに平穏な生活に戻れることをお祈りいたします。
さて、24日の夜には茨木市などで最大11万戸以上で停止していたガスの供給も可能になり、日常を取り戻しつつあるようですが、被害が大きく自宅に戻れない人が約120カ所の避難所に身を寄せている状況だそうです。約30人が避難する茨木市舟木町の公共施設で清掃などに携わるボランティアの女性(50)は「避難者には高齢者も多い。健康を維持するために食事や水分をしっかりとるよう呼びかけている」と話しています。
(日本経済新聞デジタル(平成30年6月26日))
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32174020U8A620C1AC8000/
このように、避難所での慣れない生活そして避難者に多い高齢者という事より、災害時のキーとして<高齢被災者の健康>というものがあります。
災害時における疾患・外傷の予防・治療・管理の重要性は広く認識され、適切な対応への努力が払われていますが、これに対して「生活機能」への認識と対応は、不十分であったという背景より、最近では地震等の災害を契機として生じる廃用症候群(以下、「生活不活発病」という)とそれによる生活機能低下への対応の重要性が強調されています。
(内閣府:中山間地等の集落散在地域における地域防災 対策に関する検討会提言等)。
簡単に言うと生活不活発病とは、
「動きにくい」から「動かない」事で「動けなくなる」
という事ですから、もちろん今回の地震のような事で出現してしまう事もありますがその他の要因もたくさんあります。生活機能の低下は身体症状よりも先に生活行為(活動量)の低下として表れてきます。その先には心も頭も含めた全身の心身機能低下が待ち受けています。特に高齢の方であれば普段から注意しておきたい事であります。
早期発見の為のチェックリストが厚労省より出されていますので参考にしてみて下さい。
そして生活の不活発が生じてしまっているようなら早期対応が重要です。
以下も参考にしてみて下さい
参考:生活機能低下予防マニュアル ~生活不活発病を防ごう~ (独)国立長寿医療研究センター 研究所 生活機能賦活研究部 部長 大川 弥生
今回のキーワードは生活不活発病(生活機能の低下)でした。
皆さん改めてご自身の生活活動に目を向けてみてはいかがでしょうか。