スプリンターそれともマラソンランナー

 9月も間もなく終わり、暑さも少しやわらいできましたね。秋といえば、やはり「スポーツの秋」「食欲の秋」ですね。この秋は美味しいものを食べて、いい汗をかいて、健康増進に努めたいと思っている元気モリモリです。

 ところで、皆様はスプリンターのように短距離を速く走りことが得意ですか、それともマラソンランナーのように長距離を早く走ることが得意ですか?この才能は「ACTIN3」と呼ばれる遺伝子によって握られています。「ACTN3」は、速い動きを生み出す「速筋」の新陳代謝を司るタンパク質の遺伝暗号を持つ遺伝子とされています。しかし、世界の人口の18%は、このタンパク質を阻止する変異体を保有しているといわれています。中でも「R577X」と呼ばれる変異体は、優れた長距離ランナーによく見られることが、過去の研究で明らかになっています。逆に、瞬発力が求められる一流のスプリンターは、「R577X」を持たない傾向にあるといわれています。マラソンランナーは「R577X」の作用によりおこった「ACTN3」の減少を、筋肉の新陳代謝をより滑らかかつ効果的に有酸素系に変換する「αアクチニン2」と呼ばれる別のタンパク質によって補ないます。その結果、筋は疲労することなく、繰り返し伸縮することができるというわけです。

 ややこしいことを述べてきましたが、皆様の遺伝子に「R577X」が含まれているかどうかで走る能力がある程度決まってしまうのです。「R577X」を含んでいる場合はマラソンが得意、「R577X」を含んでいない場合はスプリントが得意ということになります。スプリントが得意な私は、学生時代、運動会などで活躍できて良かったですが、今となればメタボリックシンドローム対策のためにも「R577X」を含んでいる遺伝子タイプでマラソンが得意なほうが良かったのではないかと考えが変わってきました。皆様はいかがでしょうか?