こんにちは。 あっぷる訪問看護ステーションで理学療法士をしている嘉数と言い ます。
11月も終わりに近づき、寒い季節になってきましたね。
季節が人間の体にどのような影響を与えるのかを研究する学問を生 気象学というそうです。
この学問では、特定の季節に発症したり、 死亡したりする病気を季節病と呼ぶそうです(例えば、春・ 秋に発症する花粉症)。
今回は寒さと関係があると言われている、 脳卒中についてお伝えしたいと思います。
脳卒中は日本人の死因の第4位と言われている、 脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、破れて出血(脳出血) をしてしまう病気です。
日本では、脳卒中の発症は冬に一番多いと報告されています。 特に、 一日の中で気温差が大きい日などは特に脳卒中の発症が多い傾向が あるそうです。
また、脳卒中が発症しやすい時間帯としては、 朝の6時から正午までが一番多いと報告されており、 夜間は最も少ないと報告されています。
冬に起こりやすい原因としては、 寒いと体熱を保つべく血管が縮まるため血圧が上がること、 乾燥により血液がドロドロになるため詰まりやすい、 などが考えられているようです。
気温差が大きいのも良くないと先に述べましたが、 急激な寒暖差にさらされることが血圧上昇に大きく関与するそうで す。
例えばよくあるのが、脱衣所で服を脱いでから浴槽に入るまでに「 寒い」と感じるような場面です。 このような経験をしたことがありませんか?
こうした状況は脳卒中発症のきっかけとなりますので注意が必要で す。
午前中に発症しやすい理由としては、人間は朝、 心臓の働きを活発にする交感神経が働きだすので血圧が高くなりま す。
これは普通の人には必要な血圧上昇です。 しかし高血圧の人や血管の固い高齢者の場合、 普通の人と同じ分だけ血圧が上昇したとしても、
元の血圧が高いので、 上昇することで血管が破れたり詰まったりしてしまいます。
このため、 血圧の変動が大きい午前中に脳卒中は起こりやすいと言われていま す。
寒い季節の午前中は特に注意が必要な時間帯です。
以上より、冬の脳卒中発症を予防するためには、 外出するときはしっかり防寒すること、 急激な寒暖差にさらされないよう生活空間全てを暖かくする、
血液がドロドロにならないように冬でも水分補給を怠らない、 朝起きてから活動するまでの時間帯はゆっくりと過ごす、 などが大切だと考えられます。
その他、普段から自分で血圧を測り、 自分の平均血圧を把握しておくことも非常に大切なことと言えます 。
それではみなさま、これからますます寒さが増すようですが、 体調管理に気をつけて良い年末をお過ごしください。