~骨の健康とビタミンD~

みなさんは、骨の健康に欠かせない栄養素というと、まずカルシウムを思い浮かべるでしょうか?最近、カルシウムのみの摂取では不十分であることが分かってきています。骨の健康には、ビタミンDの助けがあってこそカルシウムは効率的に活用されるそうです。

高齢者では、ビタミンD不足状態が長期間続いた場合、骨密度が低下し、骨粗鬆症や骨折のリスクが高まると言われています 。

このビタミンDですが、最近では、免疫力を高めてインフルエンザや風邪を予防したり、筋力の強化、がん予防、花粉症などのアレルギー疾患の予防など、骨に対する有効性以外にも関心が高まっています。

70歳以上の男女のビタミンD食事摂取目安量は5.5μg/日、許容上限量は100μg/日と言われています(日本人の食事摂取基準 2015年版:第一出版) 。

ビタミンDを多く含む食品は以下の通りです (五訂増補日本食品標準成分表:文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会)

・きくらげ   435

・かじき    38

・さけ     32

・にしん    22

・いかなご   21

・さんま    19

・まぐろ    18

・うなぎ    18

・干ししいたけ 16.8

(単位:μg/100g)

 

ビタミンDが不足すると小腸や腎臓からのカルシウム吸収が不十分となり、骨や歯の形成もうまくいかなくなり、高齢者では骨粗鬆症を引き起こします。日頃から、ビタミンDとカルシウムを十分にとることに加え、適度な日光浴と運動に配慮して丈夫な骨をつくりましょう。

一方、ビタミンDのとり過ぎは、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化など過剰症をまねくおそれがあります。通常の食事から過剰症になることはほとんどありませんが、サプリメントや薬などから誤って大量摂取しないように注意が必要です。