高齢者の歩行と筋力について

今回は高齢者の方の歩行についてお話しさせて頂きたいと思います。

高齢者の特徴的な歩き方とはどのようなものでしょうか?

簡単に言いますと両足を大きく広げ足をペタンペタンと地面に着き、体を左右にユサユサと振りながらゆっくりと歩く速度の遅い歩行となります。なぜこのような歩行になるのでしょうか?また歩行速度が遅くなるとどのような問題が起こるのでしょうか?

 

歩行速度が遅い原因としましては下肢筋力の低下、関節可動域の低下などが挙げられ、結果ちょっとしたことでもつまずいたりバランスを崩してしまったりして転倒してしまします。転倒をすると大腿骨、腰椎などの大きな骨が骨折し重傷になると寝たきりになってしまう事もあります。

ある研究では歩く速度が速ければ長寿に繋がるという報告がありました。

歩行速度が0.1m/sec以上速度があがると死亡リスクが12%低下するとのことです。いかに歩行というものが重要なものかが分かります。

では歩行速度を落とさないために身近に出来る対処法はどのようなものがあるでしょうか。

それは足の筋力トレーニングです。ご自宅でも簡単に出来る方法をお教えします。

 

 

筋トレメニュー

大腿四頭筋(太ももの筋肉 膝の伸展筋力)

この筋肉は歩行中にしっかりと膝を固定させるために使う筋肉です。大腿四頭筋が弱いと歩行中に膝などが自分の体重に耐えられなくなり膝が曲がってしまいまともに歩けなくなってしまいます。

一般的にこの筋の力が自分の体重の3割を切ると(体重60kgの人であれば20kg以下)うまく歩けなくなる可能性が高くなると言われています。

 

筋トレ方法:家でできる方法としましては椅子に座って膝の曲げ伸ばしをする事です。コツとしましては足首を自分の方に向くようにそり返しながら膝を伸ばします。その状態で3~5秒ほど膝を伸ばしてみてください。太ももに力が入ってるのを感じられるかと思います。力が入っているという事は大腿四頭筋が収縮しているという事です。

この運動を左右各30回ほど朝、昼、晩と行ってみて下さい。

 

 

下腿三頭筋(ふくらはぎ)

歩行時つま先を蹴りだす時に必要とする筋

この筋が弱化していれば前方への蹴り出しが不十分になり歩幅が小さくなります。よって歩行速度も遅くなるのです。

筋トレ方法:両手を手すりや壁などにつかまらせながら踵上げを行います。反動をつけるのではなくゆっくりと行って下さい。

20回ほど朝、昼、晩と行ってみて下さい

 

歩行を改善するためにはこの筋肉以外にも鍛えないといけない筋肉もありますがとりあえずこの二つの筋肉から始めてみて下さい。

また歩行を改善するために必要な事柄はまた別の機会で述べたいと思います。