作業療法(士)

リハビリ本舗ぴ~ちデイの田村文彦(作業療法士)です。「作業療法(士)」というコトバについては耳慣れないかもしれませんが、今回は実例を通して作業療法の説明をさせて頂きます。テーマは「リハビリとしての作業療法」と「作業療法によるリハビリ」の違いです。何だか、ややこしいですが、健康を取り戻す過程の違いとして理解して下さればと思います。

 

登場人物は、「交通事故による脳挫傷で記憶障害、注意障害、意欲減退の症状がある50歳の男性」で、奥さんは障害についての理解はあるものの、家事と将来の不安で十分なケアが提供できないという場面をご想像下さい。

 

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【入院中】

病室にスケジュールを書いたポスターを貼り、日常のスケジュール管理ができるよう試みた。リハビリの開始時間を記入したチェックリストを用意し、本人がチェックしたものを作業療法士が確認した。作業療法開始から1ヶ月後に、知能検査で言語性IQが90から100へ、動作性IQが60から80へと向上した。

 

【退院後】

作業療法士は、本人と面接して、「子供の頃から昆虫採取など外で遊ぶことが好きだった」「家族は妻と小学生と中学生の子供で、営業の仕事を楽しみながら、旅行が趣味で写真を撮って綺麗に整理していた」という情報を得た。この情報を参考にして、以前に撮った写真をネタに旅行の話し続けた結果、本人は記憶を取り戻した。その後は、家族で外出する計画を立てたり、家族との写真を使って来年の年賀状を作成したり、家族と友人の繋がりを取り戻し、遂には将来設計を考えるようになった。

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いかがでしょうか?入院中は「リハビリとしての作業療法」ですが、この男性は健康を取り戻したと言えるでしょうか?今一つ、ピンときませんね?退院後の場面は「作業療法によるリハビリ」ですが、とても味わいのある状況だと思いませんか?実は、退院後の場面は「デイサービスに通うこと」「訪問リハビリを受けること」なのです。健康を取り戻すための方法はいくつもありますが、「リハビリ本舗でしかできないこと!」をモットーに、質の高いサービスを提供したいと毎日考えています。「作業療法によるリハビリ」を、今後ともよろしくお願いします。