今年も終戦記念日が来ました。
終戦というと、遙か昔の出来事のように感じてしまいますが、未だ70年にも満たない近い過去なのですね。
敗戦前後に生を受けられた方々と日々接する機会を得て、この僅かな過去が少し身近に感じられるようになりました。
1945年 敗戦の年に封切られた映画「そよかぜ」、映画自体より挿入歌「リンゴの唄」が後世に名を残しています。
この映画の撮影時のこと、主演の並木路子さんが、リンゴを川に投げるシーン マネだけでいいはずが、本当に投げてしまった。
その時、スタッフが叫んで土手を駆け下りたそうです。
リンゴ一つが何とも貴重なものだったと解ります。
以来68年、食べ物はあふれ果物離れも久しくなりました。
日本人が果物を食べる量は先進国の中では最低の水準だということです。
便利とお手軽に慣らされたせいか、リンゴもミカンも皮を剥くのが面倒、ブドウも薄皮、種無しが人気 果物に限らず、野菜、魚もそのままの形で食卓に上がることは少なくなりました。
小学生の糖尿病、痛風も珍しいものではなくなりつつあるこの飽食があたりまえの世で、「空腹」、飢えにおびえぬ健康な空腹はたしかに「すばらしい」のかもしれませんが、一顆、一粒への感謝を忘れないように、父、祖父の時代にあった飢餓の記憶が子、孫へ、累々と受け継がれ、滅することのないよう祈ります。
思へば私もめっきり果物を食す機会がなくなってしまいました。
皆さん、もっとフルーツを食しましょう。そして、リンゴ一つがすばらしく大切であった時代に想いをはせてみませんか
2013年8月