廃用症候群について②

こんばんは。

先週の続きで、廃用症候群についてお話しさせていただきます。

先週、廃用症候群とは「安静臥床や低活動によって引き起こされる病的状態の総称」と定義されていると書かせていただいたのですが、では、『臥床』、『低活動』とはどういった状態を指すのでしょうか。

『低活動』
身体活動が制限された状態で、その原因は、外的要因と内的要因に分けられます。外的要因とは、手や足を動かす等の自動運動が可能であるにもかかわらず、治療など医療的な事情により活動量を下げられているもので、医師からの安静指示、長時間の点滴静注、ギプス固定等がこれにあたります。そして内的要因とは、自身の身体機能の状態により活動量が下がるもので、意識障害、運動麻痺、筋力低下、疼痛などがこれにあたります。
 ⇒『低活動』による身体への影響は、筋力低下等で、運動不足によって体が鈍るといったようなイメージです。
『臥床』
ヒトの長軸方向に対する重力負荷がなくなった状態を指し、簡単に言うと、横になって寝ている状態(重力に抗する必要が無い状態)をいいます。
 ⇒『臥床』による身体への影響は、代表的なものとして起立性低血圧が挙げられます。人間は立位をとることで、重力等の影響を受け、足の方へ血が下がります。そこで、健康な(起立耐性のある)方の体
は、素早く血管が縮む等色々な調節系が働くことで、心臓の方へ血を戻してくれるのですが、長期臥床をとることにより、血液の移動などの変化が少なってしまい、細かい調節をする必要が無いため、その   感度が落ちる、つまり、次に立つときに強い立ちくらみが起こることになります。

『臥床』のままでも、手や足を動かすことによって運動量を維持することは理論的に可能です。しかし、その場合、筋力などが維持できても起立耐性を維持することは困難です。
よって、廃用症候群を予防するためには、『低活動』と『臥床』、両方の影響を考慮する必要があることになります。

つづく